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執筆者の写真NUM

Generative Artを始めてみよう!


こんにちは、NUMです。

だんだん暖かくなってきて春が近づいてきた感じがしますね。


最近はコンセプトに基づいて制作をすることが多くなっています。

僕は「デジタルとアナログの両方の良さを追求する」というコンセプトをもとに制作を行っています。


ジェネラティブアートは制作手法がプログラムなのでデジタル要素が強いです。

そこに、人間ならではの雑さ、質感、ジークレープリントといった現実世界との繋がりを

追求して、新たな表現を探っていくのが僕のやりたいことです。


ただ、ジェネラティブアート自体があまり普及していないのが現状です、、

今回はプログラムで芸術を作る方法の紹介にしようと思います。

この記事を通じて、僕のやっている事も知ってもらえると嬉しいです!



目次


Generative Artとは

ジェネラティブアートとはwikipediaによると以下のような定義だそうです。



ジェネラティブアートまたはジェネレーティブアート(: Generative Art)は、コンピュータソフトウェアアルゴリズム数学的/機械的/無作為的自律過程によってアルゴリズム的に生成・合成・構築される芸術作品を指す。コンピュータの計算の自由度と計算速度を活かし、自然科学で得られた理論を実行することで、人工と自然の中間のような、統一感を持った有機的な表現を行わせる作品が多い。



この説明は僕も全く同じ認識です。

僕の中では数学と芸術のコラボレーションみたいなイメージで捉えています。

形を作る時に、数学的にどう表現できるかを考えてからプログラムに落とし込んでいるので

数学の可視化と考えてもよさそうですね。



Schotter (Gravel) – Georg Nees ,1968


こちらはジェネラティブアートの先駆者の一人であるGeorg Nees(ゲオルグ・ニーズ)の作品です。ニーズはコンピュータグラフィックスを展示した最初の一人と言われており、

科学計算用に作られたプログラミング言語(ALGOL)を作品制作に使用しました。



彼は絵の構成の秩序と無秩序に興味があり、プログラムの変数にランダム要素を取り入れ、正方形の秩序ある配置を意図的に乱しました。



僕はこの取り組みこそがジェネラティブアートの本質だと思っています。



ジェネラティブアートは作家が考えた秩序(アルゴリズム)に偶然性を取り入れることがよくあります。

人間が意図したアイデアも魅力的ではありますが、偶然性が入ることでより魅力的になります。



ジェネラティブアーティストは皆、偶然良い絵が出来たと言いますが、それは偶然性が良い調味料になっていると思います。



Processingをインストール

僕はProcessingというプログラミング言語でジェネラティブアートを作っています。



Processingは様々な言語に対応しているので、得意な言語で実装していく方が制作に集中できると思います。(僕はJavaで書いてます)



ProcessingをJavaScriptで書けるp5jsというのもあります。 こっちは環境構築が不要でWebエディターで書くことができます。ローカルにも環境構築できるのでProcessingとp5jsのダウンロードリンクを貼っておきます。


Processing:

p5js:



はじめてのGenerative Art

ダウンロードができたらProcessingエディターを開いてみましょう。



Processingは基本的にsetup関数とdraw関数に処理を書きます。

setup関数:1回だけ実行されます。静止画を作るときはここに処理を書きます。

draw関数:処理が繰り返し実行されます。パラパラ漫画のようなイメージです。



以下のサンプルコードはマウスカーソルに追従する赤い円を描画する作品です。

ものすごく太いペンで絵を描いているようなイメージですね。

これで始めてのジェネラティブアートができました!

たった数行のプログラムでも絵を描くことができるんです。アートを始める敷居がとても低いのがProcessingの良いところでもあります。(僕は絵が下手なのでプログラムでしか絵が描けません笑)



最初は簡単なプログラムで良いので、図形の大きさや色を変えてみたりしながらプログラムをいじくってみてください。何処をどう変えれば見た目が変わるのかを試行錯誤するのがコツです!



とにかく楽しむのが一番大事で、続けていると次はこんな表現をしてみたいと思う時がきます。でもProcessingはイメージした表現を実装するのは意外と骨が折れます、、



そんな時は以下サイトを参考にしてみてください。日本を代表するジェネラティブアーティストの記事です。僕も本当にお世話になったサイトばかりで感謝しかないです🙇


公式リファレンス:


高尾さん:


田所淳さん:

deconbatchさん:


レオナさん:


FALさん:


ギンさん:


どんな表現ができるようになるのか?

僕はジェネラティブアートを始めて4年になりました。

まだまだ挑戦した事のない表現は沢山ありますが、この記事をきっかけにジェネラティブアートを始める方のモチベーションになるように、Processingで表現できる例をいくつか挙げていきます。僕もProcessingを始めた頃、いつかこんな作品をつくってみたい!と思って制作を続けていました。



  • 充填 充填とは、空間内を図形で隙間なく敷き詰めることです。 ジェネラティブアートではランダムな位置に図形を配置することがよくありますが 充填を使うと綺麗に敷き詰める事ができるので作品の見栄えがよくなります。



  • 拡散律速凝集(Diffusion-limited aggregation;DLA) 中心に核となる粒子を配置し、他の粒子をブラウン運動させて核に結合させて クラスタ(粒子の集合体)を成長させることで作り出す形です。 雪の結晶やバクテリアコロニーの成長に関するアルゴリズムです。 生命を感じさせるような作品を作るときに使える表現です。



  • 四角形分割 これは先ほどの充填に似ているのですが、四角形の空間を分割し 分割した四角形をさらに分割する処理を繰り返して、四角形を敷き詰める 操作のことです。 ジェネラティブアートの登竜門的なイメージを持っています笑 出来上がる形がピクセル的なのでデジタル感の強い作品を作る際に使える表現です。



  • FlowField 流れ場とも言います。 格子状の空間にベクトルを配置して点を移動させながら描画すると 水の流れのような表現が出来上がります。




  • チューリングパターン セルオートマトンの一種です。セルオートマトンは格子状に配置されたセルが 近傍セルと相互作用することで、自らの状態を変化させていくことを言います。 要するに自分自身の状態は隣の人の気分に左右されるイメージです笑 チューリングパターンは生物の模様を形作る数式です。 複雑で有機的な模様を作り出せますが、かなり実装が難しいです、、



  • noise 便利だけど使いすぎは禁物のnoiseです。 noise関数はrandom関数(ランダム)と違ってなめらかな乱数のイメージです。 形、色、位置どんな場面にも使う事ができ、なめらかな荒さを表現する事ができます。ある人の雰囲気を作品にしました。noise関数を使って手書き感を再現しています。



日本のジェネラティブアーティスト

毎日コーディングで作品を作り続ける「DailyCoding」を最初に始めた張本人

GenerativeMasksというNFTプロジェクトで10,000点の作品が2時間した実績を持つ

円弧やシンプルな図形を使った作品を制作している。




Processingを語らせたら右に出る者はいないと思います。

その熱量はデコさんの記事の多さが物語っています。Processingを極めたければ是非読むことをオススメします!https://www.deconbatch.com


僕の中でデコさんの作品といえばこれです。

背景の模様や質感にもこだわりがありつつ、前面の紫色の図形がアクセントになっていますね。


オバケ👻や角丸図形といった可愛いイラストのような作品が特徴です。

色はパステルカラーを使っている事が多いと思います。

一目でセンバクさんの作品と分かるので、ジェネラティブアートにも作家の個性を出せる

事を証明しているすごい方です。

ポストカードの配布や冊子の販売もしていて、僕はフィジカルな作品も好きなので購入しちゃいました。



以下から作品のみになります。(本当は全てコメントしたいのですが、紹介したい作家の人数が多すぎたので、、)














































えいいち(E.C.H):https://twitter.com/eikun_0903




































まとめ

今回は、ジェネラティブアートはどんなジャンルの芸術で、実際に初めてみる方法

そしてどんな作家が活躍されているのかについて浅く広く紹介してみました。


作家紹介のセクションを書いていた時に思ったのは、作品一つ一つに個性があって

全然作風が被っていない事に驚きでした!


プログラムで制作すると、表現できる幅が限られているので、どうしても作風が似通ってしまうんですよね、、


にもかかわらず被っているのが一つもないのは、作家に核みたいなものがあるのかなって個人的に思っています。


何を大切にして制作しているのか、制作環境、制作手順、見せ方などをインタビュー記事を書いてみるのも面白そうだと思いました!


今回は大作でかなり大変でしたが、素敵な作家がいることを再認識でき、

これからジェネラティブアートを始めるきっかけにもなる記事を書けたので非常に満足です!最後まで読んでいただきありがとうございました。


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